大阪・泉佐野市に、日本に6基しかない国宝の多宝塔を持つお寺があるのをご存じですか?
その名も慈眼院(じげんいん)。
鎌倉時代から800年近く、苔むした境内に静かに佇み続けるその塔は、石山寺・高野山金剛三昧院と並ぶ「日本三名塔」のひとつ。
今回は、50代の忘れんぼ夫婦が実際に参拝して感じた魅力と、気になる御朱印情報を余すところなくお伝えします!

慈眼院(じげんいん)とは? 泉州最古の名刹の歴史
慈眼院は、天武天皇2年(673年)に天武天皇の勅願寺として覚豪阿闍梨(かくごうあじゃり)によって創建された、泉州でもっとも古い歴史を誇る寺院です。
山号は大悲山、正式名称は大悲山願成就寺慈眼院(だいひざんがんじょうじゅじじげんいん)。
本尊は薬師如来(やくしにょらい)で、京都の仁和寺を本山とする真言宗御室派(しんごんしゅうおむろは)の寺院です。
奈良時代の天平年間(729〜749年)には聖武天皇の勅願寺となり、弘仁6年(815年)には空海(弘法大師)によって伽藍が整えられたと伝えられています。
もともとは隣接する日根神社(ひねじんじゃ)の神宮寺としての役割も担っていましたが、明治の神仏分離によって切り離されました。
天正13年(1585年)、豊臣秀吉の紀州攻めの兵火によって一山のほとんどが焼失。
しかし奇跡的に多宝塔と金堂だけは兵火を免れ、現在まで残り続けています。
その後は慶長7年(1602年)に豊臣秀頼によって再興。
寛文5年(1665年)、京都・仁和寺の性承門跡(しょうじょうもんあと)から「慈眼院」の寺名を授かり、現在に至ります。
また、境内一帯は鎌倉時代に九条家によって開かれた荘園「日根荘(ひねのしょう)」の一部。
現在は日根荘遺跡として国の史跡に指定され、日本遺産にも登録されています。
慈眼院の基本情報
| 寺院名 | 慈眼院(じげんいん) |
| 正式名称 | 大悲山願成就寺慈眼院 |
| 宗派 | 真言宗御室派(本山:京都・仁和寺) |
| 本尊 | 薬師如来 |
| 住所 | 大阪府泉佐野市日根野626 |
| 電話 | 072-467-0092 |
| 拝観時間 | 8:00〜16:00 |
| 入山料 | 300円(令和7年より改定) |
| 拝観予約 | 事前予約推奨(公式サイトのお問い合わせフォームより) |
| 御朱印受付 | 庫裡のインターホンを押してご依頼 |
| 駐車場 | あり(境内周辺) |
| 公式サイト | https://www.jigenin.or.jp/ |
アクセス
- 電車+バス:南海本線「泉佐野駅」またはJR阪和線「日根野駅」から、南海バス「犬鳴山」行きで約8分、「東上(ひがしあがり)」バス停下車すぐ
- 車:阪和自動車道「阪和IC」より約10分
慈眼院の御朱印情報
慈眼院では計4種類の御朱印をいただくことができます。
直書きと書き置きの両対応で、御朱印好きにはうれしい充実ぶりです。
御朱印の種類と初穂料
- 金堂 御朱印(薬師如来):直書き・書き置き各500円
- 多宝塔 御朱印(大日如来):直書き・書き置き各500円
- 書き置き(ラミネート加工):各600円(御朱印帳をお持ちでない方向け)
✏️ 御朱印のポイント
書置きは多宝塔と金堂がそれぞれ水彩風にプリントされた専用紙に、一枚一枚手書きしていただけます。直書きはプリント専用紙がない仕様です。待ち時間は約15分が目安。筆さばきが力強く、躍動感あふれる美しい字体でいただけます。


御朱印の文字は「大日如来」「薬師如来」の仏様の名が大きく中央に書かれ、「和泉國井堰慈眼院」の印が押されます。
上部には「市祢壇御坊(いちねだんごぼう)」と読める印も確認できます。
背景の水彩画との組み合わせが美しく、手元に届いたときの満足感は格別でした。
御朱印をお願いする際は庫裡のインターホンを押してご依頼ください。拝観(入山料300円)とセットで案内していただける場合もあります。
授与品・お守り情報
社務所では以下の授与品もいただけます。
- 慈眼院 御守(白・紫):各800円(多宝塔がデザインされた上品なお守りです)
- 今年の干支の根付:各300円(開運招福・交通安全の根付。3種類あり)

見どころ① 国宝「多宝塔」— 日本三名塔のひとつ
慈眼院最大の見どころは、なんといっても国宝「多宝塔(たほうとう)」です。
文永8年(1271年)鎌倉時代に建立されたこの塔は、全国でも国宝指定の多宝塔が6基しかない中の貴重な1基。
泉佐野市では唯一の国宝建造物です。
塔の高さは約10.5メートル。
屋外に現存する木造多宝塔の国宝・重要文化財の中では日本最小とされています。
小さいながらも、その美しさは際立っています。
下重(したじゅう)は一辺2.7メートルの方形、上重(じょうじゅう)は12本の円柱を巡らせた円形の塔身で、檜皮葺(ひわだぶき)の屋根が優美な曲線を描きます。
内陣の須弥壇(しゅみだん)には大日如来坐像(府指定有形文化財)が安置され、脇侍に持国天・多聞天が配されています。
塔内部の拝観は通常は行われず(御開帳は1月1〜3日のみ)、外観を間近で見学する形となります。
なお案内板には「国宝 慈眼院多宝塔 鎌倉時代」と記されていました。
📌 拝観の注意点
多宝塔の拝観は柵の手前まで。内部には入れません。拝観ご希望の場合は入山料(300円)を納め、庫裡のインターホンでお声がけください。拝観時間は8:00〜16:00です。

見どころ② 重要文化財「金堂」— 薬師如来が宿る端正な堂
多宝塔と並んで必見なのが、重要文化財「金堂(こんどう)」です。
こちらも文永8年(1271年)に建立された鎌倉時代の建造物。
方3間(約9メートル四方)の小ぶりなお堂で、単層・寄棟造・本瓦葺という端正な佇まいが印象的です。
「金堂」とは、伽藍の中でもっとも重要なものを祀るお堂を指します。
堂内には薬師如来と毘沙門天がまつられており、「一願薬師堂(いちがんやくしどう)」「毘沙門堂」とも呼ばれています。
黒々とした木の柱と白壁のコントラスト、整えられた苔の庭との調和が、訪れた者の心を静かに落ち着かせてくれます。

見どころ③ 苔と緑の美しい境内と日根荘遺跡
慈眼院の境内もまた、訪れる価値のある空間です。
鎌倉時代の建造物と青々とした苔・木々の緑のコントラストは、まさにここだけの荘厳な景色。
公式サイトによると、梅雨の時期は苔が水分を含んでいきいきとし、とくに美しいとのことです。
春は樹齢400年を超えるエドヒガンザクラ(大阪府天然記念物)も境内を彩ります。
また、境内を流れる「井川(ゆがわ)」は日根荘時代に作られたもので、当時の面影を今に伝えています。
境内一帯は日根荘遺跡として国の史跡・日本遺産にも指定されており、歴史の重みをじっくり感じながら散策できます。
美しい苔を踏まないよう、石畳の上を歩いてご参拝ください。

50代夫婦のほっこり参拝記
実は慈眼院を参拝するきっかけは、ちょっとした珍エピソードから始まりました。
お隣の日根神社(ひねじんじゃ)を参拝していたとき、木立の隙間から多宝塔らしき建物がチラリと見えたんです。
「あれは何?!」と二人で必死に確認しようとキョロキョロするも、なかなか全体が見えない…。
「日根神社から塔が見える」という情報に踊らされて、のぞき見するように木の隙間を探し続けた時間は約15分(苦笑)。
その後、隣の慈眼院に来てみたらあっさりと多宝塔の目の前に!
インターホンを押してお願いすると、親切なご住職がすぐに案内してくださりました。
「さっきの苦労はいったい何だったのか…」と二人で思わず笑ってしまいました。
50代の私たちでも境内はほぼ平坦でラクラク歩けます。
混雑もなくゆったりと拝観できる穴場のお寺で、国宝を静かに独り占めできる贅沢な時間でした。
今回の拝観の際、多宝塔と金堂が望める慈眼院裏の離れで、ちょうど茶道教室をされていました。
国宝や文化財を拝観しながらの茶道ってすごく風情があって良いなと思いました。
💡 参拝のアドバイス
・拝観は事前に公式サイトか電話で予約しておくとスムーズです。
・庫裡のインターホンを押すと御朱印・拝観の両方を案内していただけます。
・多宝塔内部の拝観は通常不可(御開帳は1/1〜3のみ)。
・苔を踏まないよう石畳の上を歩きましょう。
・日根神社と合わせてのセット参拝がおすすめ!
御朱印帳・御朱印グッズをお探しの方へ
慈眼院のような美しい御朱印をきれいに保管するために、御朱印帳や御朱印袋の準備はいかがでしょうか。
合わせて巡りたい!近隣の御朱印スポット
慈眼院と一緒に巡りたい、大阪府南部のおすすめ御朱印スポットをご紹介します。
まとめ
今回は、大阪府泉佐野市にある慈眼院の御朱印と参拝レポートをお届けしました。最後にポイントをまとめます。
- 天武天皇2年(673年)創建、泉州最古の名刹。真言宗御室派・本尊は薬師如来
- 国宝「多宝塔」は日本に6基しかない国宝多宝塔のひとつ。日本三名塔にも数えられる
- 重要文化財「金堂」も同じ鎌倉時代の建造物で、薬師如来と毘沙門天をまつる
- 御朱印は直書き・書き置き各500円、全4種類。水彩画の紙に手書きしていただける美しい御朱印
- 拝観は事前予約推奨・入山料300円。庫裡のインターホンを押してお声がけを
- 境内はほぼ平坦でシニアにも優しく、苔と緑が美しい静かな空間
- 日根神社と合わせての参拝が◎。バス停「東上」からすぐ
国宝を間近で見られるこんな穴場のお寺、ぜひ足を運んでみてください。忘れんぼ夫婦も大のお気に入りになりました!


